産業医業務委託約款

産業医業務の委託を希望するユーザ企業(以下「ユーザ企業」という。)が、株式会社iCARE(以下「当社」という。)に対し、労働安全衛生法第13条に基づく産業医業務を委託する際の条件は以下のとおりである。

第1条(業務)

1 当社は、労働安全衛生規則に基づく産業医の届出に必要な書類を提供する。なお、届出によりユーザ企業の事業場に選任する産業医は、当社と業務委託契約を締結した厚生労働省で定める産業医要件を備えた産業医(以下「委託産業医」)とする。

2 当社は、委託産業医をして、以下の労働安全衛生規則第14条及び第15条に規定する職務を含む産業医業務(以下「本業務」という)を行う。

  1. 健康診断及び面接指導等の実施、これらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関する業務
  2. 作業環境の維持管理、作業の管理、労働者の健康管理、健康教育、健康相談、衛生教育の措置に関する業務
  3. ユーザ企業の事業場を労働安全衛生規則に定める頻度で巡視し、業務方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じ、(安全)衛生委員会にて審議を行う業務
  4. ユーザ企業が当社と別途締結する当社提供のクラウドサービスCarelyにて産業医業務を記録し、労働者健康管理を全うする業務
  5. ユーザ企業の従業員の健康を確保するため必要があると認めるときの、事業者に対する健康管理等についての勧告
  6. 前各号のほか、労働安全衛生規則第14条及び第15条に規定する業務及びそれに準ずる業務のうちユーザ企業が指定した業務
  7. ユーザ企業は、委託産業医を、ユーザ企業の事業場の安全衛生委員会の委員として指名し、当社はこれを承諾した旨をユーザ企業に通知する。

第2条(本業務の遂行)

1 当社は、本業務を善良なる管理者の注意をもって遂行するものとする。

2 当社は、本業務に不備があるとユーザ企業が判断したときは、当社の責任にて速やかに不備を解消させるものとする。

3 本業務の遂行過程において、当社が第三者からクレーム等を受けた場合は、当社は遅滞なくユーザ企業に報告するものとし、当社の責任と負担にて解決するものとし、ユーザ企業に何ら迷惑をかけないものとする。ただし、ユーザ企業の責めに帰すべき事由により生じたクレーム等については、この限りではない。

4 ユーザ企業は第1条第2項各号にて定めた業務を当社が円滑に遂行するにあたり、当社の活動に善良なる管理者の注意をもって協力するものとする。

5 当社は第1条第2項各号にて定めた業務遂行に関しユーザ企業の対応に不備があると判断した際は、ユーザ企業に対し不備を速やかに解消するよう要求できるものとする。

6 当社は、委託産業医が死亡・傷病その他の事由により本業務を遂行することができなくなった場合には、直ちにユーザ企業に対してその旨通知するものとする。

第3条(契約期間)

本約款に基づいて締結された契約の有効期間は、申込書記載の契約開始日を始期として、本業務の提供を開始した日以降、申込書記載の契約終了日までを有効期間とする。契約締結後は期間満了の1カ月前までに、ユーザ企業又は当社いずれからも書面による契約終了の意思表示がない限り、本約款に基づいて締結された契約は、期間満了の翌日から同一の条件で1年間自動延長されるものとし、以後も同様とする。

第4条(報酬)

1 本業務における対価及び支払い方法等については別途合意で定める通りとする。また、追加業務等が発生する場合、その対報酬額は本約款の別紙1にて定める。

2 本業務のうち、定期業務についてはユーザ企業の都合により実施しなかった場合でも、ユーザ企業はその報酬を当社に支払うものとする。

3 本業務の遂行にあたり必要となる経費(交通費を含むが、これに限られない)は、ユーザ企業が負担する。

4 ユーザ企業が支払期日までに本業務にかかる報酬又は経費を支払わないとき、ユーザ企業は、当社に対し、法令に定める利率の割合による遅延損害金を当社に支払わなければならない。

5 当社は、いかなる場合であっても、ユーザ企業が当社に対して支払った報酬の返還義務を負わない。

第5条(知的財産権)

本約款に関連して当社が独自に作成した労働者教育向けの資料等の著作権その他の知的財産権は当社に帰属するものとする。ただし、ユーザ企業と当社との間で別段の定めをした場合はこの限りではない。

第6条(秘密保持・個人情報)

1 ユーザ企業は、当社に対し、本業務の遂行に必要となるユーザ企業の営業上・技術上の情報及びユーザ企業の従業員に関する情報(個人情報を含む)を提供する。

2 当社は、ユーザ企業から開示された営業上・技術上その他一切の情報(ただし、公知の事実を除く)及びユーザ企業の従業員に関する情報(個人情報を含む)(以下総称して「本情報」という)を厳に秘密として保持し、第三者に開示、遺漏してはならず、また、本業務の遂行以外の目的に使用してはならない。当社は本情報の漏洩が発覚した際はユーザ企業に遅滞なく報告するものとし、当社の帰すべき事由によりユーザ企業に損害(特別損害、間接損害、逸失利益等を含まない)が生じた場合には、当社はこれをユーザ企業に賠償する。

3 前項の規定にかかわらず、当社が、本業務の全部又は一部を委託する者(以下「再委託先」という。)に対して、本契約における当社が負う義務と同じ義務を課したうえで、本情報を開示することができ、本情報に含まれるユーザ企業の従業員に関する個人情報の取扱いを委託することができる。

4 ユーザ企業又は当社は、本約款に基づいて締結された契約が終了した場合又は相手方から書面にて要求を受けた場合、開示及び提供を受けた秘密情報を速やかに相手方に返却し、又は自らの責任で消却するものとする(秘密情報の複製物及び改変物も同様とする。)。

第7条(届出)

1ユーザ企業は、以下の場合において労働安全衛生規則に基づく産業医の届出を所轄労働基準監督署に遅滞・なく正確に行うものとする。

  1. 本約款に基づいて締結された契約により、委託産業医をユーザ企業の事業場における産業医として新たに選任する場合
  2. 本約款に基づいて締結された契約が終了(解除も含む)したことにより、委託産業医が産業医でなくなった場合

2ユーザ企業は、前項に定める場合に所轄労働基準監督署に対して行った届出の写しを当社の要請に応じて遅滞なく当社に提出するものとする。

第8条(解約・解除等)

1 ユーザ企業又は当社は、相手方が次の各号に該当する場合、何らの催告なくして本約款に基づいて締結された契約の全部又は一部を解除することができる。

  1.  当社又は当社の利用従業員が不正の行為をなし、又はユーザ企業の利用従業員の職務の遂行を妨げたとき
  2.  第三者より差押、仮差押、仮処分、競売、破産、特別清算、民事再生、会社更生等、又は滞納処分の申し立てを受け、若しくは自ら申し立てを行ったとき
  3.  合併によらないで解散し、又は相手方の事前の了解なくその事業の全部若しくは重要な一部を第三者に譲渡又は会社分割したとき
  4.  財産状態が著しく悪化し、又はそのおそれがあると認められる事由があるとき
  5.  本約款の一に違反し、その違反を相手方の催告から14日以内に是正しないとき
  6.  事業目的の変更、事業の廃止・変更・譲渡又は解散の決議をしたとき
  7.  監督官庁より、許認可の取消、登録の取消、事業(業務)停止その他の処分を受けたとき
  8.  その他信用状態に著しい不安が認められたとき又は本約款に基づいて締結された契約を継続しがたい重大な事由が生じたと認められるとき

2 本条に基づく解除は、相手方に対する損害賠償の請求を妨げない。

3 ユーザ企業に第1項に掲げる事由の一つが発生した場合、ユーザ企業の当社に対する債務は、当然に期限の利益を失い、ユーザ企業は全ての債務を直ちに当社に弁済しなければならないものとする。

4 本約款に基づいて締結された契約が解除により終了してもユーザ企業が当社に支払い済みの報酬は返還されない。

5 ユーザ企業は、当社に対して少なくとも1ヶ月の期間を設けた通知により、本約款に基づいて締結された契約を解約することができる。本約款に基づいて締結された契約が中途解約された場合、ユーザ企業は、既に提供を受けた本サービスの対価としてユーザ企業及び当社で合意した額を当社に支払うほか、解約日から有効期間満了の日までの月数(1ヶ月未満の端数が生じる場合、1ヶ月に切り上げる)に月額を乗じて得た金額を当社へ支払う。

第9条(契約終了後の措置)

1 本約款に基づいて締結された契約の当事者は、本約款に基づいて締結された契約が終了したときは、他方当事者に対し、直ちに提供・貸与した物品、預り保管中の書類及び本業務に関する資料等を全て返還しなければならないものとする。

2 本約款に基づいて締結された契約が終了した後も、第6条(秘密保持・個人情報)、本条(契約終了後の措置)、第11条(権利義務の譲渡禁止)の定めは有効に存続するものとする。

3 本約款に基づいて締結された契約の有効期間中及び本約款に基づいて締結された契約が終了した後1年間は、当社の許可を得ることなく、ユーザ企業が委託産業医と直接契約に及んだことが発覚した場合は、ユーザ企業は当社に対して、産業医紹介料及び月額12ヶ月分(交通費別及び消費税別)を支払うものとする。ただし、当社に生じた損害額がその金額を超える場合は、当社が被った損害賠償額を立証することによりその額を請求できるものとする。

第10条(反社会的勢力との絶縁)

1 ユーザ企業及び当社は、反社会的勢力(暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団、その他これらに準ずる者をいう。以下同じ)に該当しないこと、及び次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを表明し、保証する。

  1. 反社会的勢力が経営を支配していると認められる関係を有すること
  2. 反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること
  3. 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に反社会的勢力を利用したと認められる関係を有すること
  4. 反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有すること
  5. その他役員等又は経営に実質的に関与している者が、反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有すること

2 ユーザ企業及び当社は、相手方が自ら又は第三者を利用して以下の各号の一にでも該当する行為をした場合には、何らの催告を要せず、本約款に基づいて締結された契約を解除することができる。

  1. 暴力的な要求行為
  2. 法的な責任を超えた不当な要求行為
  3. 取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為
  4. 風説を流布し、偽計又は威力を用いてユーザ企業の信用を棄損し、又はユーザ企業の業務を妨害する行為
  5. その他前各号に準ずる行為

3 ユーザ企業及び当社は、自己又は自己の下請又は再委託先業者(下請又は再委託契約が数次にわたるときには、その全てを含む。以下同じ。)が第1項に該当しないことを確約し、将来も同項若しくは第2項各号に該当しないことを確約する。

4 ユーザ企業及び当社は、自己又は自己の下請又は再委託先業者が前項に該当することが契約後に判明した場合には、ただちに契約を解除し、又は契約解除のための措置を採らなければならない。

5 ユーザ企業及び当社は、自己又は自己の下請若しくは再委託先業者が、反社会的勢力から不当要求又は業務妨害等の不当介入を受けた場合は、これを拒否し、又は下請若しくは再委託先業者をしてこれを拒否させるとともに、不当介入があった時点で、速やかに不当介入の事実を相手方に報告し、相手方の捜査機関への通報及び報告に必要な協力を行うものとする。

6 ユーザ企業又は当社が本条第3項から前項の規定のいずれかに違反した場合、相手方は何らの催告を要さずに、本約款に基づいて締結された契約を解除することができる。

7 ユーザ企業又は当社が本条各項の規定により本約款に基づいて締結された契約を解除した場合には、相手方に損害が生じても何らこれを賠償ないし補償することは要せず、また、かかる解除により自己に損害が生じたときは、相手方はその損害を賠償するものとする。

第11条(権利義務の譲渡禁止)

当社は、ユーザ企業の書面による事前の同意なくして、本約款に基づく契約上の地位又は本約款から生じる権利若しくは義務につき、第三者に対する譲渡、担保設定、その他の処分をしてはならないものとする。

第12条(損害賠償義務)

1 本約款に別段の定めがない限り、当社が本約款に関してユーザ企業に対し負う責任の範囲は、債務不履行責任、不法行為責任、その他法律上の請求原因の如何を問わず、当社の本約款の違反が直接の原因でユーザ企業に発生した通常損害に限定され、当社の責に帰すことができない事由から生じた直接かつ現実に発生した損害、特別の事情から生じた損害等、逸失利益について当社は責任を負わない。

2 当社が本約款に関してユーザ企業に対して損害賠償義務を負う場合であっても、当社が賠償義務を負う範囲は、損害発生の原因となる出来事から遡って6ヶ月以内に、ユーザ企業が当社に対して現実に支払った報酬の総額を上限とする。

3 当社に故意又は重大な過失がある場合、本条の定めは適用されない。

第13条(本約款の変更)

1当社は、必要に応じ、随時、本約款の全部又は一部を変更することができ、ユーザ企業は、これらの変更を当社が行うことを予め本約款をもって承諾する。

2 当社は、本約款の全部又は一部を変更する場合には、変更希望日の1ヶ月前までに、当該変更の内容を、ユーザ企業に通知しなければならず、これを怠ったときは、前項に基づく本約款の変更は、効力を有しない。

3 ユーザ企業が前項の通知を受けた後、本サービスを利用した場合、あるいは、前項の通知を受けてから1ヶ月以内にユーザ企業が本契約を解約しなかった場合、ユーザ企業は、変更後の本約款が適用されることに同意したものとする。

第14条(準拠法及び専属的合意管轄裁判所)

1 本約款に基づいて締結された契約の準拠法は日本法とする。

2 本約款に基づいて締結された契約に関し裁判上の紛争が生じたときは、東京地方裁判所を調停及び訴訟の第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第15条(協議事項)

本約款の定めのない事項、又は本約款に基づいて締結された契約に関する疑義についてはその都度ユーザ企業及び当社が協議のうえ、取り決めるものとする。

2021年8月1日制定
2021年11月9日改定
2022年2月2日改定
2022年4月7日改定
2022年9月22日改定


産業医業務委託約款第4条の追加業務等に対する対価は次のとおりとする。

追加業務本業務を遂行するにあたり、定期業務に追加して発生する対価
業務単価(日本語のみの対応):13,000円(税別) / 15分(15分未満は切り上げて15分単位で追加業務の対価が発生する。)
業務単価(日本語及び英語の対応):18,000円(税別) / 15分(15分未満は切り上げて15分単位で追加業務の対価が発生する。)
業務時間:別途実績による(訪問の場合、最低60分、詳細は表1を参照)
産業医の選任委託産業医の追加紹介及び追加選任にかかる対価
委託産業医を追加して紹介・選任する際には事業場の規模別及び業務内容等に応じて別途定めるものとする
選任事業場の追加定期業務の業務時間を変更せずに委託産業医をユーザ企業の別の事業場の産業医として選任する対価 業務単価:25,000円(税別) / 月 別途申し込み時に発生する
その他業務本業務及び上記に定める業務以外の業務の場合には、当社及びユーザ企業と別途協議の書面にて定めるものとする

表1:追加業務 料金表

業務内容業務単価・備考
書面作成紹介状・診療情報提供書・その他診断書等の作成に対する対価(当社が運営するサービスであるCarely内で作成するものは除く)  
・業務単価:5,000円(税別) / 通
遠隔相談メール・Slack等チャットでの委託産業医への対応相談に対する対価  
・業務単価:5,000円(税別) / 案件
ただし、日程調整など事務連絡は除く。従業員への対応相談など2案件までは定期業務に含む。
講演料毎月の衛生講話以外に、委託産業医に研修や講話を依頼する場合は、別途見積もりのうえ定めるものとする。