健康経営優良法人認定制度とは?大規模法人部門の認定要件や申請手順を解説

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健康経営優良法人の大規模法人部門は、中小規模法人と比べて難易度が高く設定されています。参考までに、中小規模法人と大規模法人の認定企業数の違いを見てみましょう。

いずれも増加傾向にありますが、中小規模法人部門は1.7倍である一方で大規模法人部門は1.2倍。これは大規模法人部門の方が認定基準でクリアすべき項目数や申請手続きの難しさがあるためです。
また健康経営の取り組みは、体制づくりからはじまるために規模の大きな会社になればなるほどイチ担当者・イチ担当部署だけでは推進できなくなってきます。
そこで今回は、「大規模法人部門やホワイト500取得の認定が難しい3つの理由」をご紹介します。また、大規模法人部門の認定要件・申請スケジュール・申請手順などもまとめているので、大規模法人部門・ホワイト500の認定を目指している方は、ご一読ください。
健康経営優良法人認定取得に役立つ資料のお知らせ
健康経営優良法人認定制度を取得するうえで、「健康経営」への取り組みはとても重要です。とはいえ、これから健康経営を強化していこうとしたとき、何から始めるべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
このような問題を解決すべく、社内で共有しやすいダウンロード資料をご用意しました。
健康経営優良法人認定制度の取得を進めたい方は、ご一読ください。
健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門やホワイト500の認定が難しい3つの理由とは?
大規模法人部門やホワイト500の認定が難しい理由は、次の3つ。
大規模法人部門やホワイト500の認定が難しい3つの理由
- 認定基準・調査項目が中小規模法人部門と比べて多い
- 複数年の改善活動(PDCA)が必要
- ホワイト500を一度取得できた企業でも、取得できない可能性も
1つずつ詳しく解説します。
【理由1】認定基準・調査項目が中小規模法人部門と比べて多い
健康経営優良法人認定制度には、従業員規模によって中小規模法人部門と大規模法人部門にわかれます。そして、それぞれに認定基準が設けられているのですが、認定基準を達成するべき項目数に違いがあります。


上記の表のそれぞれ右側に認定のための必須項目数が示されています。
中小規模法人部門 | 大規模法人部門 |
---|---|
全21項目中11項目 | 全23項目中18項目 |
また、認定基準を満たしているかどうかを判断する調査票においても違いがあります。参考として、「保健指導」の項目の違いを見てみましょう。
▼中小規模法人部門の保健指導に関する項目(Q23)
健康経営優良法人2021(中小規模法人部門) 認定申請書兼誓約書
▼大規模法人部門の保健指導に関する項目(Q43)
経済産業省 令和2年度 健康経営度調査
健康診断の有所見者に対する保健指導の実施の有無は、どちらの部門でも認定基準に含まれています。しかし、調査票で答える内容の細かさについては違いがありますよね。
【理由2】複数年の改善活動が必要
健康経営優良法人の認定要件は毎年のように改定があります。2021年度の認定要件でも一部変更がありましたが、この認定要件の変更によって「今年から健康経営に取り組んで、すぐに健康経営優良法人を取得しよう」ということが実質無理になりました。
詳しく解説していきましょう。

健康経営2021では対策の検討として「健康課題に基づいた具体的目標の設定」が必須となりました(従来は任意)。この変更と合わせて、評価・改善にある「健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施」は2つで1つの取り組みとなっています。
つまり以下のような健康経営の取り組みが必須要件となっています。
健康経営のPDCAに必要な取り組み
- 申請時の1年間で取り組んだ施策を定量評価する(評価・改善)
- 1の取り組みをもとに、次年度の目標と計画を立てる(対策の検討)
- 次年度の申請時、2で定めた目標を達成できたかを検証する(評価・改善)
- 3の取り組みをもとに、次年度の目標と計画を立てる(対策の検討)
このように単年の取り組みだけでなく、複数年での活動が必要になってきます。ちなみに、認定要件をよく見ていただくと分かるのですが、健康経営優良法人の認定取得にあたっては従業員が健康になっているかどうかは関係ありません。
会社として継続的に計画を立てて施策を実施し検証ができているか(PDCAを回せているか)が判断基準になっています。
一方で、ホワイト500は認定基準以外の調査項目について上位500法人を認定します。そのため健康経営の取り組みで成果があがったかどうかも判断されます。
【理由3】ホワイト500を一度取得できた企業でも、取得できない可能性も
健康経営優良法人の認定制度がはじまった2016年当初は、健康経営度調査において上位50%の企業が優良法人として認定される制度でした。2019年からはより幅広い企業を顕彰するために、認定基準をクリアしたすべての企業を優良法人とし、上位500社を「ホワイト500」となりました。
こうした経緯から、ホワイト500については一度取得できたとしても、来年もまた取得できるとは限りません。
実際に2021年度のホワイト500認定企業の推移を調べてみたところ、500社中140社(28%)が入れ替わっています。業界別に見ると、製造業・情報通信業・不動産業においては新規参入が多かったために入れ替わりが激しくなっています。

ホワイト500を連続で取得するためには、「毎年同じ施策を同じ用に取り組んでいるだけでは、取得できない可能性がある」ということが分かります。認定基準の変更と同様に、毎年のPDCAを回していく取り組みが重要と言えます。
既に健康経営に取り組んでいる場合は、実務の相談をできる場を活用するのがおすすめです。たとえばCarelyでは、毎月「健康経営サミット」を開催しています。
健康経営の知識を得る座学ではなく、以下のような具体的な実務に対しての質疑応答も可能です。
- 社内で健康管理体制を構築したいが、人的リソースを割くための承認が得られない
- 健康経営の一手として健康管理システムの導入を提案をしてみたが、上層部を説得できない
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健康経営優良法人認定制度 大規模法人部門の認定要件・申請手順を解説!
ここからは、健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門について、以下の流れでご説明します。
- 認定要件
- 申請スケジュール
- 申請手順
まずは、大規模法人部門の認定要件について見てみましょう。
大規模法人部門の認定要件
健康経営優良法人認定制度の認定要件(大規模法人部門)は、以下の通りです。
2021年健康経営優良法人認定企業の傾向
認定要件は毎年のように改定されており、2022年度も「従業員の喫煙対策」が項目に加えられることが検討されています。例年8月頃に認定基準および健康経営度調査票が発表されますので、最新の情報をチェックしてください。
認定要件の各項目の達成基準や具体的な業務については、健康経営度調査を確認してみてください。
健康経営度調査も毎年の改定はあるものの、ほとんどの項目に変更はありませんので試しに記入しておくことをオススメします。現状の体制では実施できていない会議体があったり、集計できない項目があることが明らかにできます。
大規模法人部門の申請スケジュール
健康経営優良法人認定制度の申請スケジュールは、経済産業省のホームページにて毎年発表されています。参考までに、「健康経営優良法人2021」の申請~認定スケジュールをご紹介します。
健康経営優良法人の申請について(METI/経済産業省)
<大規模法人部門>
健康経営度調査:令和2年8月24日(月)~令和2年10月16日(金)申請:
・申請法人から保険者への申請書提出期間:令和2年11月27日(金)~令和2年12月10日(木)
・保険者から認定事務局への申請書提出期間:令和2年11月27日(金)~令和2年12月18日(金)※消印有効認定内定の連絡:令和3年2月中
認定:令和3年3月4日(木)
経済産業省「健康経営優良法人の申請について」
申請期間や認定日は、年によって若干異なります。2022年以降に健康経営優良法人認定を受ける場合は、経済産業省のホームページを確認し、具体的なスケジュールを把握しましょう。
次に、健康経営優良法人認定の申請手順について紹介します。
大規模法人部門の申請手順
健康経営優良法人認定(大規模法人部門)の申請手順は、以下の通りです。
経済産業省「5.健康経営優良法人2021の申請から認定までの流れ」
- 「健康経営度調査」に回答
- 健康経営優良法人(大規模法人部門)の申請書の受領
- 申請書の提出
- 健康経営優良法人認定委員会による審査
- 日本健康会議による認定
健康経営優良法人に申請できるのは、健康経営度調査で資格を得られた企業のみです。そのためまずは、以下を参考に「健康経営度調査」に回答しましょう。
無事に資格を得ることができた場合は、調査票を提出する流れとなります。2020年度の調調査票のサンプルを確認し、回答の準備を進めていきましょう。
申請後に健康経営優良法人認定委員会による審査が行われ、審査基準をクリアしている場合は認定される流れとなります。
まとめ:健康経営優良法人認定制度は、健康情報を整理しやすい仕組みの導入が重要
今回は、健康経営優良法人の大規模法人部門・ホワイト500の認定が難しい理由や、具体的な認定要件・申請手順などについてご紹介しました。
大規模法人部門は、企業の規模が大きく関係者も多岐に渡るため、担当者ひとりで推進することは一筋縄ではいきません。またグループ・支社を含めた健康情報を集約する必要があるため、申請の準備だけでも数ヶ月時間がかかってしまい、申請期限も相まって担当者の本来業務を圧迫してしまいます。
そのためまずは、
- 健康情報の一元管理
- 健康管理業務の効率化
を進めて、健康経営を進めやすい体制を整えていくことがおすすめです。たとえば健康管理システムCarelyなら、健康情報をダッシュボード画面で確認可能です。

健康経営優良法人の取得は、工夫もなく取り組み始めるとただただ新しい業務が増えてしまうだけで、人事や産業保健スタッフの業務負担につながってしまいます。一方で、健康経営への取組をきっかけに社内の体制づくりや施策の定量評価ができるようになると、普段の健康管理業務を効率化することにも直結できます。
健康情報の一元管理・健康管理業務の効率化をどのようにして健康経営につなげていくのかについて、Carelyでも情報提供を続けています。もしご相談したいことがあれば、以下からお問い合わせください。
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また、健康経営に役立つ資料も用意しています。社内に健康経営の重要性を伝えやすくなるので、ダウンロードの上、ご活用ください。