ノロウイルスの恐ろしい症状を出さないために…職場でできる5つの予防

ノロウイルスによる胃腸炎といえば下痢と嘔吐のダブルパンチの症状が有名です。こんな恐ろしい病気に感染しないためにも感染経路を知り、対策をしなくてはなりません。
ノロウイルスによる胃腸炎の症状
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の主な症状は以下です。
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛
- 吐き気
- 38℃程度の発熱
ノロウイルスに感染するといわゆる食中毒と似た症状を伴います。なお、発症前は軽い風邪のような症状があり、健康な成人であれば1日〜2日で後遺症もなく症状が治ります。ですが、免疫力が低い高齢者や乳幼児は、吐しゃ物による窒息や肺炎を起こしてしまうこともあるそうです。
ノロウイルスの感染経路
では次に感染経路についてお話しします。ノロウイルスは11月ごろから流行が始まり、12月〜2月にピークを迎えます。それ以降、春が訪れる頃にはほとんど感染者はみられません。
冬のおいしいものといえばカキですが、ノロウイルスの感染経路のひとつとして、カキなどの二枚貝を食べることが考えられます。ただし、二枚貝からの感染は最近では下がっているそうで、今はヒトからヒトへの感染が、もっとも可能性の高い感染経路と言われています。
- 感染者の吐しゃ物を処理する
- ウイルスが混じった吐しゃ物の飛沫や、乾燥した粉塵を吸う
- 感染者が触ったものに触れる
- 感染者が作った料理を食べる
ヒトからヒトへの感染はこれらの経路が考えられます。大別すると「接触感染」、「飛沫感染」、そして「飲食物からの感染」の3つがほとんどというわけです。
職場でのノロウイルス対策5つ
ノロウイルスは数10個〜100個程度吸い込むだけでも感染する可能性があり、感染者の体外でも数週間は生きているため感染経路は徹底的に遮断しなくてはなりません。職場では具体的にどういった対策を行えばよいのでしょうか?
1 手洗い
ドアノブや便座など、不特定多数が触れる場所はウイルスがいる可能性が高いですよね。タイミングはトイレのあと、外出後、汚物やゴミの取り扱い後、食品を取り扱う前後などがあります。徹底的にやるとすればトイレ後や汚物の取り扱い後には2度手洗いをすることをお勧めします。特に手首や指の間などは忘れがちなので意識して洗うようにしてください。
また、感染の予防といえば、手を洗う際にアルコール除菌剤やハンドソープを使うのは必須ではありますが、「ノロウイルスの除菌」という面では、あまり効果は期待できません。なぜなら、ノロウイルスはエンペロープというウイルスを覆っている膜がなく、アルコールを使っても死滅させることができないからなのです。ですので、手洗いはノロウイルスの「除菌」というより「菌を洗い流す」という意識で行うと効果的です。
2 職場の清掃
当然、職場の不特定多数が触れる場所をあらかじめ清潔に保つことも大切です。
- ドアノブ
- 便座、便器、水洗レバー
- 手すり
- ボタンや取っ手
- 共用の机、椅子、レンジ
などなど…… こうした不特定多数が触れるものに対策が必要です。先ほど「ノロウイルスにはアルコールが効かないと」言いましたが、ちゃんと効果がある除菌剤があります。それは「次亜塩素酸ナトリウム」。消毒の際には次亜塩素酸ナトリウムが含まれている除菌剤を必ず使うようにしましょう。
なお次亜塩素酸ナトリウムを使用できなくとも、ウイルスを拭き取ることはできますので、一概に拭き掃除が無駄というわけではありません。
3 汚物の処理
もしノロウイルスの食中毒を職場で発症してしまい、嘔吐や下痢をしてしまったというとき、あるいは飲食店などで汚物の処理が必要なときは以下のポイントを守りましょう。
- 感染防止のための服の着用
- 換気
- 立入制限
- 広範囲の清浄
- 処理後の手洗いうがい
もちろん処理に使う除菌剤は次亜塩素酸ナトリウムです。汚物が飛び散らないように霧吹きは避けて、液体をそっと注ぐようにしてください。
4 食品の加熱
食品取扱者がウイルスを持っていた場合や、調理器具を経由した食中毒の二次感染の対策は以下です。
普通の食品であればノロウイルスは中心温度75℃で1分以上加熱すれば死滅し、二枚貝などのノロウイルスに汚染されている可能性のあるものは中心温度80℃〜90℃を90秒以上加熱すれば安全であると言われています。
5 健康管理
そして何と言っても日頃の健康管理がなければ、ノロウイルス感染の予防を下げることは難しいですよね。
- 手洗いうがいの徹底……外出、トイレ使用後に
- 共用トイレの衛生的な使用……使用前には便座クリーナーを使って便座を拭く
- ノロウイルスに感染したときの正しい対応……症状が出たらすぐに上司に報告
この3つをしっかり守ることが大切です。