ストレスチェックで組織改善
2022年12月27日 更新 / 2019年8月28日 公開

ストレスチェック報告書の書き方を解説!労基署提出時の注意点も紹介

本記事では、

  • ストレスチェック結果報告書を作成する前の準備
  • ストレスチェック結果報告書の書き方・記入例
  • ストレスチェック結果報告書の提出先・期限・方法

を、紹介します。

記事を参考に、ストレスチェック結果報告書の提出準備を進めていきましょう。

なお、ストレスチェックは実施や報告をするだけでなく、改善につなげることが重要です。ストレスチェックの目的である「メンタルヘルス不調の未然防止」を実現したい方は、以下の資料をご活用ください。

\メンタル不調の原因や対策を解説!/

ストレスチェック結果報告書とは?産業医の押印は不要

ストレスチェックは実施することも重要ですが、労働安全衛生法第52条の21にて結果報告書の労基署への提出を義務づけられています。

対象となるのは、常時50人以上の労働者を使用する事業場です。もしも提出しなかった場合は、労働安全衛生法第120条の5に基づき、50万円以下の罰則を科される場合があります。

現時点で50人未満の事業場の場合、ストレスチェックの実施は努力義務で報告義務はありません。ただし「ストレスチェックを実施させる義務がない」という意味ではない点に注意が必要です。メンタル不調などによりストレスチェック自体が負担となるなどのやむを得ないケースを考慮し、“努力”義務となっています。

また、令和2年8月から産業医の押印が不要になり、記名のみで可となりました。

企業としての中長期計画の中で増員を検討している場合には、すぐに対応できる組織作りをしておくと良いと思います。

なお、そもそもストレスチェックの対象者や実施状況などの詳細は、下記の記事でまとめました。ストレスチェック制度を正しく理解して、職場改善につなげたい方はぜひご一読ください。

ストレスチェック結果報告書を作成する前の準備

書類ダウンロード

厚生労働省のwebサイトから心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(PDF)(以下、ストレスチェックの結果の報告書)をダウンロードし、印刷して使用します。予備も含めて3部、印刷しておきましょう。

なお、入力支援サービスを利用して入力することも可能です。入力支援サービスでは昨年度の記録を保存できるので、作成の効率化がはかれます。

参考:労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス

※ 印刷時の注意点

  • Adobe Readerの印刷機能を使用する。(Adobe Readerの画面から[ファイル(F)]→[印刷(P)]を選択)
  • 提出後、機械での読み取りが行われるのでA4普通紙(白色度80パーセント以上)に印刷する。

心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(PDF)

記入上の注意

必ず黒のボールペンを使用して、枠からはみ出さないように大きめのアラビア数字で記入します。記入する項目のない欄は空白のままにします。

書類全体の項目を見渡す

まずは、ストレスチェック結果報告書の全体を見渡してみましょう。

全体を見渡すとこの書類に記入すべき項目が分かるので、用意すべきものを判断できます。

ストレスチェック結果報告書の書き方・記入例

一番上のグループ

ストレスチェックの結果の報告書、一番上のグループ

では、ストレスチェック結果報告書の一番上の項目から始めましょう。必要書類がそろっていれば、3分あれば十分です。さっそく始めましょう。

労働保険番号

自社の労働保険番号を、左詰めで枝番号まで書きます。過去の労働保険の申請書類などに番号は載っていますが、分からない時には厚生労働省の労働保険適用事業場システムで番号を調べてください。厚生労働省の検索サイトはこちらです。

対象年

今回の報告の対象となるストレスチェックが何年のものなのか、その実施年を記入します。ただし、1年を通じて検査をした場合、例えば人数が多い会社などでは1年の中でストレスチェックを実施しているケースもあります。

ストレスチェック結果報告書の2ページ目にも記載がありますが、『1年を通し順次検査を実施した場合、その期間内の検査の実施状況をまとめて報告できます。この場合、「検査実施年月」の欄には、報告日に最も近い検査実施年月を記入すること。』という規定がありますので、これに従ってください。

検査実施年月

今回の報告の対象となるストレスチェックの実施年月を記入します。ストレスチェックを部署ごとに分けて年に数回行っている場合などは、1年分をまとめて報告します。この場合「検査実施年月」の欄には、報告日に最も近い検査実施年月を記入してください。

事業の種類

日本標準産業分類の中分類に従って記入してください。総務省の検索サイトはこちらです。

事業場の名称

事業場の正式な名称を記入してください。

事業場の所在地

その事業場の所在地を記入します。問い合わせに備えて、確実に対応できる電話番号も記入します。

真ん中のグループ

上のグループが書き終わりましたので、真ん中のグループに移りましょう。ここも、2分はかからないと思います。

ストレスチェックの結果の報告書、真ん中のグループ

在籍労働者数

検査実施年月の末日現在の常時使用する労働者数を記入してください。提出時点での労働者の人数ではないのでご注意ください。

なお、常時使用する労働者の中にはパート・アルバイトの数も含まれます。以下の条件を満たしている場合は在籍労働者数となります。

1. 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。

2. その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。 

ストレスチェック制度関係 Q&A

検査を実施した者

検査を実施した医師などについて、番号を選んでください。もし、2名以上の者が検査をした場合には代表者を決め、そのものについて番号を選んでください。ちなみに、選択肢「2」の事業場所属の医師(1以外の医師に限る。)」には、同じ企業内の他の事業場所属の医師が含まれ、選択肢3の「外部委託先」には、健康診断機関や外部専門機関が含まれます。

検査を受けた労働者数

そのストレスチェックの報告の対象期間内に検査を受けた労働者の実人数を記入します。もし、複数回にわたって検査を受けた労働者がいる場合には、その者は1名として数えてください。

面接指導を実施した医師

上記8と同様です。

面接指導を受けた労働者数

医師が面接指導をすることが適当と認めた労働者のうち、申し出をして実際に医師による面接指導を受けた労働者の数を記入します。

なお、こちらに記載する人数は「ストレスチェック後に医師による面接指導を行った労働者の数」です。通常の面接指導を実施した人数ではありません。

参考:ストレスチェック制度関係 Q&A(目次)

集団ごとの分析の実施の有無

ストレスチェックの検査後、集団としての分析を行ったか否かを選びます。

一番下のグループ

もう一息です。あと、2分で書き終えます。

ストレスチェックの結果の報告書、一番下のグループ

産業医

その事業場の産業医の氏名を記入します。

年月日

このストレスチェックの結果の報告書の提出の年月日を記入します。

労働基準監督署長

所轄の労働基準監督署の名前を記入します。

仕上げ

全て書き終わりましたので、見直しをして所轄の労働基準監督署に提出してください。

ストレスチェック結果報告書の提出先

ストレスチェック結果報告書は、所轄の労働基準監督署に提出しなければなりません。注意すべき点は、企業がまとめて提出するのではなく、対象の事業場ごとに提出する必要がある点です。特に、全国に事業場を展開している企業は、すべての事業場に周知する必要があります。

また、50人未満の事業場は努力義務となり、提出義務はありません。しかし「事業者が労働者にストレスチェックを受検させる義務がない」という解釈ではない点に注意が必要です。

ストレスチェック結果報告書の提出期限

ストレスチェック結果報告書は、明確な提出期限が定められていません。したがって、事業場ごとに設定する必要があります。

ただし、ストレスチェック自体は1年に1回実施する必要があるため、必然的にストレスチェック結果報告書も1年に1回提出しなければなりません。提出しなかった場合は、労基署から提出の連絡が届くこともあります。

ストレスチェック結果報告書の提出方法

ストレスチェック結果報告書は、下記の方法で提出できます。

  • 直接提出
  • 郵送で提出
  • 電子申請(e-Gov)

特に、e-Govを利用した電子申請は、インターネットを利用するため24時間365日提出できます。

e-Govから電子申請を進める場合は、手続検索の「手続名称から探す」で「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」と検索しましょう。

e-Gov(PDF)

ただし、サーバートラブルも考えられるため、できる限り早めに提出するように心がけましょう。

まとめ:ストレスチェック結果報告書を提出して職場改善につなげる

ストレスチェックは実施も非常に重要ですが、それだけではあまり意味がありません。ストレスチェックを実施したら報告書を提出するという流れはセットにして対応しましょう。

また、ストレスチェック結果報告書の記入方法は2つありますが、入力支援サービスを利用することをおすすめします。産業医の押印が不要になったことも考慮しつつ、準備を進めていきましょう。

適切なストレスチェックを実施して、高ストレス者への対応も早めにできたら良いですね。

なお、下記の資料でメンタルヘルスの対策をまとめています。集団分析の有効活用方法も紹介しているので、従業員の負担を軽減したいとお考えの方はぜひダウンロードのうえご活用ください。

\メンタルヘルスに早めの対策を!/

執筆・監修

  • Carely編集部
    この記事を書いた人
    Carely編集部
    「働くひとの健康を世界中に創る」を存在意義(パーパス)に掲げ、日々企業の現場で従業員の健康を守る担当者向けに、実務ノウハウを伝える。Carely編集部の中の人はマーケティング部所属。