
多様な社員のニーズを踏まえ、Carely保健師と一体で取り組む未来を見据えた健康管理
まぐろの加工販売と水産物の商事を営む2社の伝統・技術を受け継ぎ、2016年に現社名となったマルハニチログループ傘下の株式会社マルハニチロリテールサービス。宮城県亘理町や静岡県焼津市など全国5箇所に拠点を置き、従業員の半数が非正規社員、その中の1/3はベトナムからの技能実習生や特定技能の方を受け入れています。健康情報の一元管理を叶えながら、言語や雇用形態を選ばない従業員の利便性を考えた健康管理体制を構築し始めています。その工夫やポイントをCarelyの活用状況と合わせて伺いました。(取材時期:2023年1月)
- 従業員数
- 246名
- 業種業態
- 卸売・小売 飲食・食品
- 導入理由
- 健康に関する相談環境の整備
- 業務効率化
- 紙やエクセルでのデータ管理から脱したい
- 健康経営を推進したい
- 会社の健康状態を可視化したい
- 健康管理体制を一元化したい
- 休職・離職を予防したい

会社の健康管理業務を担当。担当歴6年
Carely導入前の健康管理業務や情報管理が煩雑。産業医との調整も困難
最初に貴社やこれまでの健康管理体制について教えてください。
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多賀能さん:
健康診断、ストレスチェック、再検査の受診勧奨、安全衛生委員会への参加など、全社の健康管理業務を担当しています。メインの担当となって6年になります。
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菱沼さん:
私は昨年中途入社し、管理部の管理職をしています。私たち管理部には12名所属していますが、経理や財務、システム、総務、人事厚生、採用・教育に加え健康管理も見ており、人的リソースが限られている状況です。加えて、Carely導入前までは健康管理の取引先様が複数社あり、産業医とストレスチェックをそれぞれ別の会社に、健康診断は自社で手配していました。各結果や記録を個々に管理、保管していたため、全ての情報を一つにまとめて業務を効率化したいという思いがありました。
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多賀能さん:
産業医選任義務がある事業所は仙台工場と焼津工場の2箇所ですが、産業医とのスケジュール調整が困難で悩みの種でした。

産業医との調整はどんな面で困難を感じていたのでしょうか。
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多賀能さん:
特に課題に思っていたのは産業医とのスケジュール調整です。産業医とのやり取り全てを提携会社を介して本社が一括で行うため、各事業所や従業員との間に入り、何度も連絡をとる状況でした。
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Carely編集部(以下、編集部):
多賀能様と各従業員、提携会社の間で「いついつ大丈夫ですか?」という連絡がいったりきたりしていたという状況ですよね。
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多賀能さん:
そうです。提携会社とはメールでのやりとりでレスポンスが遅い時や、産業医の予定優先なので候補日が1日しかもらえないこともあり、大変困りました。もう少し(事業所にとって)日程の融通が利くように調整したいなという思いもありました。
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編集部:
巡視の記録や意見書はどのように確認していたのでしょうか。
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多賀能さん:
毎月報告があるわけではなく、こちらから依頼しなければ作成いただけない状況でした。また、作成いただいた記録はメールを印刷し本社でファイリングしていました。
質の良いCarely産業医とシステムに寄り過ぎない人的サポートが決め手。
健康情報の一元管理や産業医の選任を目的にCarelyを導入されましたが、何が決め手になりましたか。ここからは貴社担当保健師の入村とともに伺います。
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菱沼さん:
産業医の業務がメインで経験豊富な産業医が多いことに期待が持てた点、システム一つで一元化できる点を評価しました。他社にも同じような仕組みがありますが、導入した後の専門性や支援体制が弱く不安がありました。トータルバランスで優れ、システムに寄り過ぎない人的支援の強みが決め手となりました。
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多賀能さん:
現在はCarely専門職サポートにより、毎月入村さんと打ち合わせさせていただいてますが、本当に心強いです。細かいところも先回りして気にしていただけるので、本当に助かっています。
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菱沼さん:
レスポンスも非常に早く、とても頼りにさせていただいています。
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入村(Carely保健師):
ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。
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菱沼さん:
他には、導入時の営業担当の方(植草様)のご対応が印象に残っています。弊社では各事業所毎に損益管理をしていますので、Carelyのようなサービスを導入する際に事業所との調整が難航しました。大枠では経営層からの合意は取れていましたが、各事業所からコンセンサスをとらないと進まないのでいろいろとご相談に乗っていただきました。大変感謝しています。

Carely産業医との連携や健康診断の管理で改善が進んでいることはありますか。
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菱沼さん:
以前の産業医と比べるとフィードバックをいただく機会が増えました。毎回衛生委員会へご出席いただき大変助かっております。
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編集部:
健診結果は今のところ紙で受け取っていますが、管理で楽になったことはありますか。
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多賀能さん:
各事業所から健診結果が紙で郵送され、それをスキャンしてファイル名を付け、名簿を作って保管する作業がまだ負担ではあるのですが、健診結果をCarelyから必要な時にすぐ取り出せる点は楽になりました。今まではファイルを持ってきて探すところからだったので。Carelyですぐに閲覧、共有できるのですごく便利です。
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入村:
Carely産業医は事前にiCAREで面談を実施し、どんな方かきちんと把握した上で企業のニーズにあう産業医を紹介しています。ご評価いただけて嬉しいです。
運用についてはCarelyの導入一年目である今が一番大変だと思います。慣れるまでの移行期間でもありますし。健診結果のデータ化を医療機関側で対応いただけたり、csvで入力できるようになればまた少し変わってくるかもしれませんね。産業医とも連絡帳機能を使って連携をさらに進めたいですね。
細やかで先を見据えた提案。Carely専門職サポートで感染対策や不調者対応が改善
保健師の入村とはどのような関わり方をしていますか。
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多賀能さん:
毎月定例の打ち合わせをしていますが、入村さんが準備した打ち合わせ内容や提案を相談したり、先々のイベントの計画などをすり合わせたりしています。
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入村:
運用を決めて、体制をゼロから作り上げる最初の1、2年は多賀能様や菱沼様が特に労力を使われる期間だと思います。そんな中、お聞きしたことに対して調べて準備されたり、事業場内や各工場と調整をいただいたり、他の業務が多くある中で速やかに進めてくださっていますよね。健康管理への力の入れ具合を感じます。私もできるだけそれに応えたいと頑張っているところです。
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編集部:
入村からの提案は、貴社にとって気づきや新しい発見がありますでしょうか。
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多賀能さん:
発見ばかりですね。細やかだなと思います。あったらいいなと思うものの、手が回らないことが多く、それを先回りして一緒に進めてくださいます。先日は衛生講話の内容も相談させていただきました。
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入村:
新型コロナウイルスの感染対策の一環になるような内容を提案させていただきました。
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多賀能さん:
おかげさまで本社の感染対策が改善されました。
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菱沼さん:
流行ピーク時と比べて感染対策が少し緩んでしまっていた面がありました。衛生講話を機に改めて対策をしていくよう働きかけたところ徹底されました。やはり、専門家に言っていただくのが一番効き目があります。
Carelyの活用により、不調を抱える従業員の対応はどう変化しましたか。
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菱沼さん:
Carelyを導入し、不調者の存在に気付かされました。
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多賀能さん:
以前から一定数は出ていたのだと思います。面談の仕組みがなく、未対応にしていたのだと思います。
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菱沼さん:
今では(不調に)早く気づくことができ、スピーディーに面談の対応をいただき本当に助かっています。先日もある社員が不調を抱えているのがわかり、入村さんと産業医に面談をお願いし、アドバイスに基づき対応ができました。今は元気に働いています。
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多賀能さん:
以前であればこのような対応はできなかったと思います。放っておいたら休職か、退職になっていたかもしれません。
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入村:
ストレスチェックのデータと、本人からの相談がきっかけでした。すぐさま多賀能様にお伝えし、産業医面談の手配や対応をしていただけたことが大きなポイントだと思います。本当によかったです。

ストレスチェックの受検率70→98%に改善。契約社員やベトナム技能実習生など、個別の事情に対応。
ところで、会社規模に比べ事業場が多い印象を受けます。それぞれどんな規模感でどんな社員が働かれていますか。
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菱沼さん:
合併や組織再編、組織変更などの影響で増減ありましたが、現在は全国5箇所に拠点があります。最も従業員数が少ない拠点は札幌事業所で20名程度、多い拠点は仙台工場で84名、次いで焼津工場です。
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多賀能さん:
従業員の内訳ですが、全体で見ると正規雇用と非正規雇用が半々、さらにその1/3がベトナムの技能実習生や特定技能の方です。男女比は半々くらいです。
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菱沼さん:
全社の平均年齢は50歳を超えています。もともと持病を抱える社員や、体調を崩して十分なパフォーマンスが発揮できていない社員もおります。

ベトナムの技能実習生への健康管理、健康診断の説明や手配の大変さが推察されます。
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多賀能さん:
ベトナムからの実習生の受け入れは今年で11期生目です。ベトナム語を話す社員が1名製造部門にいるのですが、やはり全員分の対応は難しいです。健康診断など、何か説明が必要な時には都度通訳の方を呼んでいます。健康診断に最初は付き添ってもらい、結果についても説明をしますが、自分の健康状態をどこまで理解できているかは不安もありますね。
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編集部:
法律の違いもありますが、健康診断やストレスチェックの目的を説明されるのでしょうか。
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多賀能さん:
はい。なぜ健康診断を実施するか、衛生委員会で説明します。結果の送付は全て手渡しで対応し、面談の案内も行いますが、まだ不足する部分はあると思います。健康管理の対象はベトナムの方だけですが、派遣社員でフィリピンの方もいて、以前iCAREさんにタガログ語のストレスチェックの用意もいただきました。
ベトナムの方向けには実施についてベトナム語訳をつけてマークシートと一緒に同封しました。結果はグラフの部分だけ翻訳をつけて渡しました。
契約社員の方の受検率も改善されたと聞いています。改善した理由やポイントは何でしょうか。
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多賀能さん:
以前利用していたストレスチェックはWEB受検のみでした。契約社員の方からは、ログインの方法がわからないとか面倒だという意見が多く、受検率が大幅に落ちる結果となってしまいました。今年はCarelyでWebと紙(マークシート)受検の両方を手配し、契約社員の方には紙で受検してもらいました。
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入村:
紙とWebの両方で実施できた点が改善のポイントだったのでしょうか。
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多賀能さん:
それに加え、Carelyの運用の柔軟性もポイントでした。以前は用紙を発注した後、手配の途中で出入りがあった社員の分の追加・修正ができませんでした。その点、Carelyだといただいたデータを印刷し、最新の人数で受検期間直前まで調整でき、助かりました。
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入村:
効率化も大事ですが、従業員の個別の事情や意向に最大限配慮される管理側の姿勢が何よりのポイントだと思います。
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多賀能さん:
紙とWebの2種類になって大変に思われるかもしれませんが、それ程煩雑ではありませんでした。従業員からの問合せもほとんどありませんでした。
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入村:
ちょうど今、紙で受検された方とWeb受検の方のデータが全てCarelyで見られる状態になりました。これから分析を進めていきましょう。前年70%だったところが今回は98%の受検率を達成されています。
従業員が自分の健康と向き合えるよう、健診の事後措置や働き方の支援に着手。
会社として従業員の健康管理をどう捉え、今後はどんなことに着手されたいですか。
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菱沼さん:
皆さんに身体を壊してほしくない、メンタルの不調に陥ってほしくないという思いがあります。従業員それぞれが自分の健康を気遣ってケアできるよう、ヘルスリテラシーを向上させながら健康管理をしっかり行っていける様にしていきたいと思っています。
私たちは仕事柄、試食の機会もあります。試食もしながら普段の食事もとるため、カロリーや塩分摂取が多くなりがちで、それが習慣化してしまっている方もいらっしゃいます。
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多賀能さん:
生活習慣はなかなか変えられないと思います。病気になってからでは遅いので、今入村さんと進めている再検査の受診勧奨の運用を変えて働きかけたり、健康教育のような機会を設けて、もっと自分の健康を大事にしてもらえるようにしたいです。
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菱沼さん:
当面の課題としては家庭と仕事、治療と仕事の両立支援です。私くらいの年代になると親の介護の問題もあります。それらに対して働き方の制度を柔軟にするなど、多様な働き方が選べるようにしたいと思っています。
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入村:
素晴らしいですね。視点が以前にも増してどんどん未来に向いているように思います。引き続きご支援させてください。
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編集部:
本日はありがとうございました。
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